アラフォーでアメリカの大学に入学
なんでだか、また大学生になることになった。
日本の大学、カナダの大学、日本での通訳学校も含めると
成人して以降、4度目の学生だ。。。
子供の頃、勉強が嫌いで勉強しなかったツケが
今頃回ってきた感がある。
この度は、カリナリー。シェフを養成するコースだ。
シェフの山高帽、カレッジのロゴが左胸に入ったシェフコート、
包丁、皮むき器、温度計などが入ったセットのカバンなど、事前に購入させられ、
授業初日を、迎えた。
まだ何も勉強してないのに、みんな 一人前のシェフに見える。。
20人ほどのクラスだ。
わたし以外にも、大人(年配?)の人もたくさんいるし、
見るからに、高校卒業したてのお兄ちゃん、お姉ちゃんもいる。
腕に入れ墨ガンガンな人も。。。
初めてのクラスは、カリナリーイントロダクション。
調理学入門だ。基礎を習うのだ。
朝、7時半から午後2時までクラス。
まず7時半に、講義室で授業開始。
女性の教官シェフが、料理の基本のき、から講義する。
そこからわたしは混乱した。
アメリカでは、オンス、パウンド、カップ、パイントなどで計量される。
温度も摂氏ではなく華氏だ。
7オンスの水で溶いたら、350°F(華氏)のオーブンで30分。
なんてことになる。
うっ。まずそこで苦労した。
カナダに留学していた頃は、計量単位や温度等、すべて日本と同じだった。
イギリス流か。長さも温度も、容積も。
余談になるが、アメリカでは距離もキロメートルではなく、マイルだ。
慣れるには、時間がかかる。
講義は、7時半から9時半ごろまで。
その後、休憩をはさみ、キッチンへ移動。
10時ごろから2時までは実習だ。
エプロンや、スカーフ、シェフハットをかぶって、キッチンの準備にかかる。
殺菌剤の入った赤いバケツを準備したり、キッチンでのルールを学ぶ。
すぐ料理なんてやらしてもらえないのだ。
プロの料理人にとって、衛星管理は何よりも大切。
いくら美味しいものが作れても、食中毒でも出そうものなら営業停止だ。
衛生管理については、入門コースに加え、衛生学というクラスも必須だった。
おしゃべりばかりしている子、むっつりとして誰とも話さない子、
教え魔となって、あーでもないこーでもないと講釈タレる子、
さまざまだ。
それでも、何日目かには皮むき器や包丁を使って野菜を切ることができた。
日本でいう、いちょう切りや千切りなど、欧米での基本の切り方の練習だ。
主婦を何年もやっているわたしにとっては、さほど難しいことではなかった。
しかし、シェフコートに身を包み、見てくれはシェフなのに、
野菜の基本の切り方の練習中に、手を切ってダラダラ血を流している人を
何人も見た。
どう見ても向いてないでしょ、と思う子がやたらと居た。
今思えば、そういう子は、いつの間にか消えていた。
学校に来なくなっていたのだ。
理解不可能なやつもいっぱいだ。
なにしろアメリカだ。
それでも、3年後の卒業式の頃には、毎日毎日一緒にキッチンに立って来た者同士の
不思議な絆で感動したものだ。
しかし、その後の長い道のりも、卒業の時の感動も、全く想像もできないところに
その時のわたしは居たのだった。